印刷データについて
2020.10.06
こんにちは、大型出力屋のデータ担当の多田です。
今回より、『完全データ作成~失敗しないデータ作りのコツ~』と題しまして、
様々なデータ作成時の注意点について、≪問題点≫と≪改善方法≫を詳しく掘り下げてご説明させていただきます。
今回は『完全データ』とは何かについてご説明させていただきます。
まず「完全データ」とは何か?について説明させていただきます。それは、AdobeIllustratorやAdobePhotoshop等のデザインソフトで作成された≪印刷するのに適したデータ≫のことを指します。デジタル印刷を利用する多くの印刷通販会社では、Webサイト上からご注文をいただき、お客様が作成した印刷データをご入稿いただいて印刷することになりますが、このとき「完全データ」でのご入稿を想定しております。では≪印刷するのに適したデータ≫とはどのようなデータを指すのでしょうか?デジタルプリントでは、印刷可能か否かを判断する様々な項目が存在します。≪印刷するのに適したデータ≫とはそれらの項目をクリアした『修正の必要がない完成されたデータ』と言えます。
では、ご入稿いただいたデータが完全データではなかった場合、何が起こるのでしょうか?例えば、一見して不備の無いデータであっても、実際に出力機から印刷してみると色味が違って見えたり、文字が見切れていたり、配置したはずの画像が印刷されていなかったり、画質が悪く見えたり、様々な不具合が生じてしまう可能性があります。お客様からお預かりしたデータは、印刷前にスタッフにより「完全データ=印刷可能なデータ」であるかをくまなくチェックさせていただきます。しかしながら、ここでのチェックとは「印刷可能であるか否か?」のチェックとなりますので、「お客様の意図した仕上がりになるか否か?」を判断することは困難です。もし万が一データに不具合が見つかった場合は、お客様に修正箇所をお伝えし、データの再入稿をお願いしておりますが、それにより印刷が遅れて納期が順延し、予定日に間に合わなくなるといった最悪のケースになる可能性もあります。
これまで「完全データについて」と「完全データの必要性について」ご説明いたしましたが、それではどのようにすれば「完全データ」を作成することができるのでしょうか?この項目では完全データを作成するためのコツについて説明していきます!・・・と言いたいところですが、「印刷可能なデータ」であるかどうかのチェック項目は数多く存在し一概にコレをすれば全て解決できるという問題ではありません。ですが、この項目をクリアしていないと必ず再入稿になってしまうという必須項目が存在します。ここではその必須項目3点を簡単にご紹介します。
アウトライン化とは、文字情報を図形化することです。アウトライン化せずにフォントの情報が残ったまま入稿すると、フォントのデータが印刷会社にない場合、違うフォントに置き換えて印刷されてしまいます。
Illustratorに配置された写真やロゴマークなどの画像は、「リンク」と「埋め込み」という2つの方法で表示することができます。「埋め込み」されている画像は問題ありませんが、「リンク」されている画像は作成したデータと合わせて入稿しなかった場合、印刷会社が受け取ったデータを開いた際に画像を表示させることができません。
塗り足しは「裁ち落し」とも呼ばれ、仕上がりのサイズよりも外にある、裁ち落とされる部分のことをいいます。この塗り足しが不足していると、紙の色が見えてしまったり、文字が切れてしまったりという問題が発生します。
以上、かなり省略して必須項目3点をご紹介させていただきました。もちろんこれら以外にも多くのチェック項目が存在しますが、この必須項目を知っておくだけでもかなり「完全データ」に近いデータを作成することが可能です。
今回は第0回という事で、完全データについての説明をさせていただきました。≪完全データ作成のコツ!再入稿にならない方法とは?≫で前述しましたが、紹介した再入稿にならないための3つの必須項目以外にも様々なチェック項目が存在します。次回以降はそれらの1つ1つに焦点を当てて「これだけは押さえておきたい」という項目ごとに詳しくご紹介させていただきます。ぜひご覧いただければ嬉しく思います。