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大型出力屋の印刷・後加工技術

2020.08.24

ラテックスインク:印刷の仕組みと特徴(「大型出力屋」出力オペレーターブログ)

こんにちは、ホーコーズの竹澤です。

弊社で保有している大判出力機のうち、ラテックスプリンターの印刷の仕組みと、インクの特長についてご説明します。

目次

  1. 弊社のラテックス印刷機・対応商品のご紹介
  2. ラテックス印刷の特長
  3. 印刷の仕組み
  4. まとめ

■弊社のラテックス印刷機・対応商品のご紹介

弊社の保有するラテックスプリンターは日本HP社「HP Latex360」シリーズ4台です。
メディア(印刷素材)の印刷幅は1500mmまで対応しています。

■ラテックス印刷の特長

ラテックス印刷は、溶剤系インクと水性インクそれぞれのメリットを集約した新しいインクです。

  • 溶剤に比べて速乾性に優れているため、短納期対応に強い
  • 水性でありながら耐候性、擦過性に優れている
  • 汎用性が高く、様々な印刷素材に印刷が可能
  • 無臭で有害物質を含まず、環境にやさしい

ラテックスインクの大きな特長は、印刷時に用紙の表面に受理層を形成する点です。
水性インク使用の際は用紙の表面に受理層コーティングが必要ですが、ラテックス独自のインクであるオプティマイザーが受理層の代わりとなって、カラーインクを受け止めます。
そして溶剤インクのインク定着にかける乾燥の時間もかかりません。皮膜形成によって耐候性・擦過性にも優れており、屋外での使用も可能です。さらに無臭のため、病院や教育施設などのデリケートな環境や、臭いに敏感な屋内ディスプレイにも最適です。

オプティマイザーとは?

オプティマイザーのインクはCMYKなどのカラーインクとは違い、無色透明です。印刷中にオプティマイザーが用紙の表面に付着し、塗料の粒子を用紙に定着させる補助を行います。オプティマイザーは80%以上が水分で構成されており、その後、プリンターからの熱で蒸発すると、塗料粒子を用紙に固定したままで硬化します。
ラテックス独自の高速乾燥と用紙を選ばない高い汎用性には、オプティマイザーが大きな役割を果たしています。

■印刷の仕組み

ラテックスインクは以下の流れで印刷を行います。

  1. 印刷素材の表面に熱をかけて、ラテックスインクとオプティマイザーを乗せます。
  2. 加熱送風を行い、水分が蒸発します。
    ラテックス樹脂が溶け始め、顔料と混ざります。
  3. インク内に含まれる抗スクラッチ剤によって、膜が作られて硬化します。
  4. 水が完全に蒸発すると印刷完了です。

実際に、ラテックスインクの出力機を使って説明します。

印刷素材を取りつけ、素材に合わせたプリント設定を行います。
サイズや印刷設定を再確認しPCから印刷するデータをプリンターへ送り、印刷が始まります。


印刷開始前の準備として、機械の底部分の温度が上がります(80~100℃)。

プリントヘッドから、各色のインク、オプティマイザーが乗ります。
ヒーターとファンの熱風により、水分の蒸発、ラテックス樹脂の融解、抗スクラッチ剤の膜形成が発生します。(これらが瞬時に発生しています。)
機械から用紙が出てきたときには、すでに乾燥が完了しており、すぐに加工ができます。

印刷時の注意点は、プリンターの熱によって印刷素材を痛めてしまうことがあります。
弊社取り扱いの素材は、各素材に合わせて適切な温度設定を行っているので、安心の品質で印刷ができます。

■まとめ

ラテックスインク印刷の仕組みと特徴について説明しました。
再度特長をお伝えすると、以下の通りです。

  • 速乾性に優れているため、短納期対応に強い
  • 耐候性、擦過性に優れている
  • 汎用性が高く、様々な印刷素材に印刷が可能
  • 無臭で有害物質を含まず、環境にやさしい

ラテックスインクの印刷物は、施工時での傷や擦れのリスクを軽減するなど、お客様にとって扱いやすいものになっています。
「大型出力屋」では様々な印刷物をご提案しています。印刷をご希望のお客様は、お気軽にお問い合わせください。

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