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大型出力屋の印刷・後加工技術

2024.02.28

マットコート紙について

お世話になっております。大型出力屋でお客様担当をしております松本と申します。
今回は大型出力屋の紙素材として取り揃えている「マットコート紙」について詳しくご説明をさせていただきます。
素材の特徴や他の素材と比較した結果をご紹介させていただきますので素材選定の際にご参考にしていただけますと幸いです。

 

  1. 用紙素材の説明
  2. マットコート紙ご選択の際の注意点
  3. 他素材との比較
  4. 使用事例
  5. まとめ

 

1.用紙素材の説明

マットコート紙はその名の通りマット調の質感で落ち着いた雰囲気を演出する紙素材です。
光の反射が少ない素材のため屋内の照明や日光が当たるところでも印刷面がチラつくことなく使用可能です。
※チラシ印刷などオフセット印刷でよく使われる「マットコート紙」とは表面の質感が異なり「上質紙」のような質感になります。ご注意ください。

マットコート紙の写真イメージです。色味や光の反射を確認できます。

・低価格
大型出力屋の取り揃えている紙素材の中で最も低価格なため、使用頻度が少ない場合や一度きりの使用でご費用を極力抑えたい場合にお選びいただくことが多いです。

・光の反射が少ない
マット調の素材のため光の反射によって印刷面が見えにくくなりません。
屋内短期使用で直射日光が当たる場所に設置予定の場合や、照明が強く当たる場所に設置予定の場合にもお選びいただけます。

・納期について
お急ぎでのご注文の場合にも比較的に納期の融通が利きやすい素材です。
ご使用期日までにお時間がなくお急ぎの場合はマットコート紙での製作をご検討ください。
※具体的な納期のご相談ついてはお電話もしくはメールにて事前にスタッフにお問い合わせください。

その他詳細は下記の通りです。

 

2.マットコート紙ご選択の際の注意点

上記の説明の通りマットコート紙は多くのシーンでご利用いただけることや、安価なことからご注文をいただく機会が多い素材ですが、ご注文にあたって気を付けるべきポイントがあります。

・濃い色のベタ塗りがあるデータの場合
黒色や紺色などの濃い色で、且つ1色のベタの面積が多いデータの印刷ですと、紙表面の水分量(インク量)が増えるため、滲みや色ムラ、波打等が出る場合があります。
また擦れには強くなく、爪などで擦ると傷がつきやすいです。設置時には気を付けてお取り扱いください。

・耐久性について
設置期間の目安は屋内常設で1ヵ月~3か月ほどですので、長期的な利用には不向きな素材です。
また、紫外線による色褪せが生じやすい素材のため継続的にご掲示予定の場合には直射日光の当たらない場所をお選びください。

・発泡パネルとの相性
発泡パネル(スチレンボード)は気温や湿度の変化によって反りが生じるものですが、7mm厚発泡パネルの中でマットコート紙との組み合わせはパネルの反りの進行が1番早く、長期使用には不向きです。
パネルの反りについて調査した結果をブログにまとめておりますので、ご参考にしていただければと思います。

注意点を解消するには?

上記の注意点を解消するには以下の方法があります。

・表面ラミネート加工を追加する
料金は追加になってしまいますが、表面にラミネート加工をすることです。ラミネート加工とは、印刷したマットコート紙の表面に薄いフィルムを貼り合わせる加工のことです。
表面ラミネート加工をすることで、傷を防止することができ、表面への水濡れにも強くなります。

・印刷素材を変更する
後述しますが、滲みや色ムラ、波打等を防ぐには用紙素材自体を光沢紙や厚手合成紙という別の印刷素材に変更する必要があります。それでは光沢紙と厚手合成紙との比較もしていきましょう。

3.他素材との比較

紙素材として他によくご注文いただく素材は「光沢紙」と「厚手合成紙」があります。
以下ではそれぞれ用紙の発色や見え方を比較した結果をご紹介いたします。

■光沢紙
先ずは光沢紙との比較です。

印刷機とインクはマットコート紙と同様のものを使っていますが、マット調の質感のマットコート紙と半光沢調の光沢紙とではやはり見え方や発色に差があります。
お写真のような発色重視のデータの印刷には光沢紙を、文字の多いデータや日光・照明が直接当たることが想定される場所に設置をご検討の場合にはマットコート紙をご選択ください。

■厚手合成紙
次に厚手合成紙との比較です。

マットコート紙と厚手合成紙はどちらもマット調の質感ではありますが、印刷機やインクの種類が異なるため発色に違いがあります。
写真で分かる通り厚手合成紙はマットコート紙に比べて濃い色の箇所が若干薄く見えますが、マットコート紙のように色ムラや波打ちが生じにくいです。

4.使用事例

照明が当たる場所に使用した事例


印刷面に直接光が当たっていますが、光の反射が少ないためしっかりと文字を視認できています。
また、落ち着いた雰囲気の素材のため、照明の効果も相まって高級感のある仕上がりになっています。

展示会の背景装飾に使用した事例


短辺の最大出力幅1450mmを超える大型の印刷でも分割仕様でしたらご対応可能です。
今回の事例ではデザインが跨る部分に「重ね」をつけてポスターを貼り合わせる際に文字やデザインがズレにくいようにしております。
ブース装飾をお考えの際にお急ぎの場合やご予算が限られている場合にご検討ください。

演題に使用した事例


使用する期間が短いことが多い演題や題目として低価格で早くお届けすることができるためお選びいただくことが多いです。
目安として8mまでの長尺印刷にもご対応しているため、遠くからでも視認できるような大きさの演題も製作可能です。

5.まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。
マットコート紙は弊社が取り揃えている素材の中でも1番低価格でご対応可能な素材です。
屋内での短期使用向けとしてうってつけの素材ですので、ご予算が限られる場合やお急ぎの場合にご検討ください。
その他ご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

■お問い合わせはこちら

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