分割・幅継(はばつぎ)について

いつもご利用いただきありがとうございます。
大型出力屋の杪谷と申します。
今回は分割や幅継といった作成方法についてのご説明をさせていただきます。
分割や幅継の場合でのデータ作成についてもまとめております。
ご利用いただく皆様の参考になれば幸いです。

分割・幅継(はばつぎ)とは
分割・幅継位置はどうやって決まるのか
分割・幅継の際のデータの注意点
分割・幅継位置による金額の変動
まとめ

1.分割・幅継(はばつぎ)とは

まず始めに、「分割」と「幅継(はばつぎ)」についてご説明いたします。

分割

分割はポスターやパネルの作成サイズが、弊社印刷可能な最大サイズより大きい場合に、2枚以上に分けて印刷・作成をすることを言います。
こちらは商品が分割された状態(分かれた状態)で納品されます。
どの印刷用紙にも印刷可能な短辺最大幅がございます。例えば、ポスターやパネルで使用するマットコート紙の短辺最大幅は、1450mmです。ご希望サイズの短辺が1450mm以内であれば、基本的には1枚もので作成が可能です。
※短辺が最大幅以内でも、あまりにも長辺が長い場合は、分割させていただく場合がございます。
また、パネルにも最大サイズがございます。弊社で最も人気のある発泡パネル(7mm厚)は、1200×2400mmまで1枚もので作成が可能です。ただ、発泡パネル(7mm厚)でデータに沿ったカット(変形カット)がある場合は1200×2100mmまでが最大サイズになります。
これ以上の場合は、分割での作成になります。

分割のポスターやパネルは設置の際に図柄を合わせながら設置していただくことになります。繋ぎ合わせは弊社では行いませんので予めご了承ください。
上下分割で作成したポスターの実例です。

幅継(はばつぎ)

次に幅継についてご説明いたします。
幅継とは、布やターポリン素材のポスターやタペストリー、横断幕などで、最大幅以上のものを分割と同様、2枚以上に分けて印刷をし、縫い合わせや圧着加工を行って1枚に仕上げる仕様です。
縫い目が印刷面にも出ますが、2ｍほど離れて見るものであればさほど目立たないかと思います。

※印刷時の伸び縮みにより、仕上がりサイズや幅継位置に数ミリのズレが生じる可能性がございます。

※分割・幅継になる場合、HPでは金額の算出ができないため、スタッフの見積積算をおすすめいたします。
短辺最大幅、最大サイズ以上の場合はお気軽にお問合せください。短辺最大幅、最大サイズは各素材毎にHP内に記載しております。また、「カンタン自動見積もり」に最大幅、最大サイズ以上の数値をご入力された場合、赤く表示されます。

2.分割・幅継位置はどうやって決まるのか

申し訳ありませんが、大型出力HP上では分割・幅継位置は表示することができません。パターンが多岐に渡るため、規則的に計算できないためです。短辺最大幅・最大サイズ以上の商品をご希望の場合、スタッフにお見積のご依頼をお願いします。お問合せいただいた方が、後々「金額が想定と違った」、「作成できない」、「分割位置の希望があった」、などのトラブルを防止できるかと思います。

お見積をさせていただくスタッフが分割・幅継位置はどうやって決めているのか、一例をご紹介します。
※下記は分割・幅継位置のご希望がない場合の分割・幅継方法です。下記では左右で分割(縦に分割)にてご紹介しておりますが、短辺最大幅以内であれば、上下の分割(横に分割)でも作成可能ですが、(ご希望がなければ、商品や素材やサイズによって最適と思われる分割方法でご案内させていただきます。)

・紙やシール素材、フィルムなどで作成する『ポスター』の場合
マットコート紙の場合、短辺最大幅が1450mmです。短辺が1450mm以内であれば1枚もので作成が可能です。例えばW1450×H3000mmは1枚もので作成可能です。
ご希望サイズが短辺最大幅以上、例としてW2000×Ｈ3000mmをご希望の場合は、分割での印刷になります。図のように、W1000×Ｈ3000mmを2枚印刷します。

紙やシール素材、フィルムなどのポスターの場合、分割位置に「重ね」をつけることが可能です。
「重ね」については、後述いたします。

・発泡パネルなどの『パネル』の場合
大型出力屋のパネルは、紙やシール素材に印刷をしたものをパネルに貼って仕上げます。そのため、印刷用紙の短辺最大幅とパネルの最大サイズを考慮する必要がございます。
例としてマットコート紙+発泡パネル(7mm厚)の仕様の場合、マットコート紙の最大幅が1450mm、パネルの最大サイズが1200×2400mmになります。
→W3000×Ｈ2000のパネルは3分割での作成になります。図のように、W1000×Ｈ2000mmを3枚で印刷します。

参考：パネルの二つ折り加工について

パネルの場合、二つ折り加工をすることもできます。
二つ折り加工とは、2枚のパネルの分割位置の表・裏どちらか一方に透明なテープを貼って、折り畳めるようにする加工です。
上記に記載した「分割」は2枚のパネルを繋げず、分かれたまま納品いたします。

・布やターポリンの『ポスター』『タペストリー』『幕』などの場合
布やターポリンは上記で触れたように、縫い合わせや熱圧着が可能です。短辺最大幅以上をご希望の場合は、幅継をして1枚ものに仕上げます。
例えばスタンダードターポリンの短辺最大幅は2400mmなので、W3000×H2500mmの幕の場合は2枚分割して印刷し、幅継をいたします。

上記の通り、基本的には、使用する印刷素材に合わせて横幅を均等に分割いたします。
ただ、分割・幅継位置にお客様のご希望がある場合は短辺最大幅以内であればご指定が可能です。

3.分割・幅継の際のデータの注意点

ここからは分割・幅継になった場合のデータ作成の注意点を説明します。
お客様が分割・幅継のデータを作成する場合、下記をご注意ください。

①分割・幅継位置に重要なロゴやデザイン、文字などの配置は極力避けてください。
②ポスターの場合のみ、「重ね」の有無をご教示ください。
③分割後のデータは弊社で作成いたします。分割前のデータをご入稿ください。

①分割・幅継位置に重要なロゴやデザイン、文字などの配置は極力避けてください。
印刷時にどうしても伸び縮みが発生いたします。そのため、分割・幅継位置に重要なロゴやデザイン、文字などが配置されていると、ズレが目立ちやすくなります。またあまり目立ちませんが、縫い合わせや熱圧着の加工の跡もございます。
重要なロゴやデザイン、文字などは分割・幅継位置を割けて配置いただくのがおすすめです。データで重要な情報が切れない位置で分割・幅継をしてほしい、というご希望がある場合は、分割・幅継位置を調整いたしますのでお気軽にご相談ください。

②ポスターの場合のみ、「重ね」の有無をご教示ください。
「重ね」とは、分割位置を数cm伸ばして印刷し、ポスターを貼る際に重なるようにすることで、図柄を合わせやすくするものです。紙のポスターやシール素材は特に、「重ね」をつけることをおすすめします。フィルム素材のポスターは「重ね」の部分が目立つ可能性があるので、「重ね」なしにされる方が多いです。

ポスターの場合は2cmの「重ね」を作ることをおすすめしております。
こちらの作業は弊社で行いますので、重ねの有無をご連絡いただけますようお願いいたします。
※2cmまでの「重ね」は金額の変動はございません。

③分割後のデータは弊社で作成いたします。分割前のデータをご入稿ください。
ご注文確定後、データチェックを行う際に、弊社にてデータを分割いたします。ご入稿の際、分割後のデータではなく、1枚ものの分割前データでご入稿いただいて構いません。分割位置にご希望がある場合は、メールやデータ上でご指示ください。

4.分割・幅継位置による金額の変動

上記で少し触れたように、分割・幅継位置は基本的には均等になるようにいたします。ただ、窓枠などの設置場所の都合や、データの配置(均等分割位置にお顔や文字などがあるなど)の都合により、分割位置を変えたい、というお客様もいらっしゃると思います。大型出力屋ではこのようなご要望にも柔軟に対応が可能です。分割・幅継をした時に、印刷素材の最大幅以内であればご希望通りの位置で分割いたします。
ただ、ご注意が必要なのが、分割・幅継位置の変更によって、金額が変動する可能性があることです。ここからは金額変動の例をご紹介いたします。
※2025年5月時点での金額です。

例1：マットコート紙のポスターW3000×H2000mm、1部
A：均等に分割
B：不均一の分割