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2023.07.10

パネルの反りについて徹底解説!

お世話になっております。大型出力屋でお客様対応をしております中村です。
今回は、パネルのご注文いただく際に注意しなければならない「パネルの反り」について、ご紹介いたします。
本記事では、「パネルの種類」「パネルが反る原因について」「反りの経過テストを行ってみた」「反りが出にくいパネルとは」「まとめ」という5つの章に分けてご紹介いたします。
パネル製作をご検討されているお客様に、おすすめの記事となっておりますので、よろしければぜひご参考ください。

 

  1. パネルの種類
  2. パネルが反る原因について
  3. 反りの経過テストを行ってみた
  4. 反りが出にくい発泡パネルとは
  5. 用途別おすすめのパネルをご紹介
  6. まとめ

1.パネルの種類

大型出力屋では、以下のパネル素材を取り扱っております。

① 7mm厚 発泡パネル
② 7mm厚 ブラックパネル
③ 15mm厚 極厚パネル
④ 3mm厚 アルミ複合板
⑤ 8mm厚強化段ボール

※現在、極厚パネルの取り扱いは終了しております。

この中でも今回のブログは、パネルの製作の際に特によくご依頼いただいている「①7mm厚 発泡パネル」と、反りが出にくい素材である「⑤8mm厚 強化段ボール」にスポットを当ててご紹介させていただきます。
大型出力屋で使用している発泡パネルは、簡単に反ってしまう安価な発泡パネルではなく、比較的反りが出にくい種類の発泡パネルを採用しております。
詳しくはこちらをご確認ください 発泡パネル選び方のコツ
パネル別の説明はこちらをご確認ください ポスターパネルのご紹介

それでも、どうしても・・・経年劣化や、気温や湿度などの環境の条件でパネルが反ってきてしまいます・・・。無常ですね。
それではまず、「パネルが反ってしまう原因」について、以下で解説をしていきます。
※「②7mm厚 ブラックパネル」は厚み・素材構成が「①7mm厚 発泡パネル」と同じのため、「③15mm厚 極厚パネル」「④3mm厚 アルミ複合板」に関しては、反りが出にくい素材であるため、今回のブログでは割愛させていただきます。

 

2.パネルが反る原因について

納品時は反りがなく、まっすぐだったパネルが「しばらく掲示していたら、反ってきてしまった」というお声を頂戴することがあります。
それでは最初にそもそもなぜパネルが反ってしまうかについて、ご説明させていただきます。
パネルが反ってしまう原因は、大きくわけて3つです。

①気温や湿度、環境の変化によって

大型出力屋の「パネル」はすべて、印刷をした印刷素材(紙や塩ビシートなどの印刷用紙)をパネルに貼り合わせる加工をしております。
印刷素材をパネルに貼り合わせたのちに、気温や湿度などの環境の変化によって印刷素材に乗っているインクが乾いたり、水分を含んだりして、伸び縮みが起きます。
その結果、印刷素材にパネルが引っ張られて、「パネルが反る」という現象が起きます。

納品してすぐはまっすぐだったパネルも、設置場所の気温や湿度などの環境の変化によって、反りが起きてしまう可能性があります。
雨や雪が降っているなど、湿度が高い場所から、乾燥した場所に移動すると、印刷面が含んでいた水分量が変化し、パネルの反りにつながります。
反対に、乾燥して乾いていたパネルが、湿度の高い場所で保管されることによって、逆に水分を吸って反っていってしまうこともあります。
保管する場合は、なるべく温度や湿度の変化が少ない場所をお勧めします。

また印刷素材の伸び縮みの大きさは、「印刷素材の種類」と「印刷データのインク量」によっても変動いたします。
■印刷素材の種類・・・こちらは「3.反りの経過テストを行ってみた」の「A.印刷素材による反りの比較をする」で素材ごとの比較を行っておりますので、以下ご参考ください。
■印刷データのインク量・・・色の濃いベタ塗りの部分が多いと、より多くのインクを使うため、乾いた際の伸び縮みがより大きく出ます。

 

②パネルの形・サイズによって

パネルの形やサイズによっても、印刷素材の伸び縮みにより、パネルの反りの大きさには違いが出てきます。
こちらは「3.反りの経過テストを行ってみた」の「B.パネルの形による反りの比較をする」でパネルの縦横比ごとの比較を行っておりますので、以下ご参考ください。
■反りやすい形・・・長方形(短辺が長辺にくらべて極端に短い形)
■反りにくい形・・・正方形に近い形
※保管時は、机などの平面に置いた方が、反りは生じにくいです。

 

③パネルの設置方法によって

パネルの設置方法によっても、パネルにかかる力が変わり、反りの大きさには違いが出てきます。
■反りやすい設置方法・・・壁面に斜め立てかける、パネルの一部だけを固定して設置する
■反りにくい設置方法・・・4辺すべてをしっかり壁に貼り合わせる、ピンで固定する

 

3.反りの経過観察テストを行ってみた

次に、どのような条件でパネルがもっとも反ってしまうのかを検証する、パネルの反りの経過観察テストを行ってみました。
弊社では、7mm厚発泡パネルには、「マットコート紙」「光沢紙」「厚手合成紙」を貼り合わせることで、パネル製作を行っております。
また、8mm厚強化段ボールは「塩ビ粘着シート(短期)」を貼り合わせることで、パネル製作を行っております。
以下が反りテストの概要となります。

テストA.印刷素材による反りの比較をする
テストB.パネルの形による反りの比較をする
テストC.パネル素材による反りの比較をする

 

テストA.印刷素材による反りの比較をする

以下6つの印刷素材と条件で「7mm厚 発泡パネル」に貼り合わせて、経過観察を行いました。

①マットコート紙(ラミネート加工なし)
②光沢紙(ラミネート加工なし)
③厚手合成紙(ラミネート加工なし)
④マットコート紙+表面ラミネート加工
⑤光沢紙+表面ラミネート加工
⑥厚手合成紙+表面ラミネート加工

⑦マットコート紙(ラミネート加工なし)+パネルの裏面にラミネート加工
※こちらは、検証の結果反りの対策とはならなかったため、割愛させていただきます。
⑧塩ビ粘着シート(ラミネート加工なし)+8mm厚強化段ボール
※新素材のためテスト期間の途中より比較を開始しました。

テストA.テストの条件

観察期間  :2023年1月14日~2023年5月14日(約5か月間)
パネル素材 :7mm厚 発泡パネル
パネルサイズ:W300×H1200mm
インク量  :多い(黒一色)
設置場所  :屋内の日当たりが良い場所
設置方法  :スタンドにさして、下部は固定、上部は垂直に自立している状態

テストA.経過

テスト開始:2023年1月14日

・どのパネルも反りはない状態です。
・1月スタートのため、湿度は低めで、気温も低い状態からのスタートとなっております。

 

 

 

 

1週間後:2023年1月21日

・「①マットコート紙(ラミネート加工なし)」と「②光沢紙(ラミネート加工なし)」で内側に反ってきているのが分かります。
・「③厚手合成紙(ラミネート加工なし)」は外側に向けて反っています。
・ラミネート加工した3枚は、まだ反りは大きく出ていません。

 

 

1カ月後:2023年2月25日

・「①マットコート紙(ラミネート加工なし)」が一番大きく反っているのが分かります。
・ラミネート加工ありの3枚に関しては、まだ反りは出てきていません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  左:2カ月後:2023年3月18日      右:5カ月後:2023年06月18日
・①~⑥全てにおいて、2カ月~5カ月で反りは大きく変わりませんでした。
・ラミネート加工ありも、テスト開始時から比べると、若干反りが分かるようになりました。
・およそ2カ月以降は、反りの具合に変化はみられませんでした。

 

テストA.結果


■ラミネート加工なしの比較
・②<③<①の順で反りが大きく出ています。
・「①マットコート紙(ラミネート加工なし)」がもっとも大きく反ってしまっているのが分かります。

■ラミネート加工ありの比較
・ラミなしに比べると、かなり反りが小さいのが分かります。
・「⑥厚手合成紙+表面ラミネート加工」が一番反りが目立ちにくいのが分かります。

テストAの結果、印刷素材は「厚手合成紙」が一番反りにくく、反対に一番反りが顕著に表れるのは「マットコート紙」であることがわかりました。
また、「表面ラミネート加工」を追加するとによって、各素材の反りを抑制することができました。

 

テストB.パネルの形による反りの比較をする

「A.印刷素材による反りの比較をする」のテストと条件は同じで、パネルのサイズ・形による反りの大きさの違いを比較します。

テストB.テストの条件

観察期間  :2023年01月14日~2023年05月14日(5か月間)
パネル素材 :7mm厚発泡パネル
パネルサイズ:W300×H1200mm、W900×H900mm
インク量  :多い(黒一色)
設置場所  :屋内の日当たりが良い場所
設置方法  :スタンドにさして、下部は固定、上部は垂直に自立している状態

テストB.結果

※経過に関しては、「A.印刷素材による反りの比較をする」と同じように反っていったため、ここでは割愛させていただきます。

■マットコート紙

・どちらも内側に反っているのがわかります。
・縦長の方がより、反りが大きく出ています。

 

■光沢紙

・マットコート紙に比べると、光沢紙の方が反りが目立たないのが分かります。
・W900×H900mmの方は、ほとんど反りが出ていませんでした。

 

■厚手合成紙

・印刷面に対して外側に反っているのが分かります。
・反りの大きさは、W300×H1200mmとW900×H900mmで、そこまで大きな違いはありませんでした。

テストBの結果、パネルの形状は細長いとより反りが顕著に出ることが分かりました。
テストAの結果と合わせると、マットコート紙で細長い形のパネルが最も反りが出てしまうという結果になりました。
ご希望のサイズが細長い形状をご検討中の場合は、光沢紙や厚手合成紙の素材がお勧めとなります。

 

テストC.パネル素材による反りの比較をする

パネル素材の違いで反りがどれくらい変わるのかを比較しました。
素材は「7mm厚発泡パネル」と「8mm厚強化段ボール」でテストを行っております。
印刷素材については、それぞれ最もよくご注文いただく印刷素材同士で比較します。
■7mm厚発泡パネル・・・・①マットコート紙(ラミネート加工なし)
■8mm厚強化段ボール・・・⑧塩ビ粘着シート(ラミネート加工なし)

テストC.テストの条件

観察期間  :2023年01月14日~2023年05月14日(5か月間)
パネル素材 :7mm厚発泡パネル、8mm強化段ボール
パネルサイズ:W300×H1200mm
インク量  :多い(黒一色)
設置場所  :屋内の日当たりが良い場所
設置方法  :スタンドにさして、下部は固定、上部は垂直に自立している状態

テストC.結果

・どちらもラミネート加工なしですが、「⑧塩ビ粘着シート(ラミネート加工なし)」の方が反りが少ないのが分かります。

テスCの結果、7mm厚発泡パネルよりも、8mm厚強化段ボールの方が反りにくいことが分かりました。
8mm厚強化段ボールは反りに強く、耐久性があるため、発泡パネルに比べるとお値段は割高ですが、中長期的な使用を想定している場合にお勧めになります。

 

4.反りが出にくい発泡パネルとは

テストの結果から、印刷素材と7mm厚発泡パネルの「反りにくい組み合わせ」と「反りやすい組み合わせ」をランキング形式でご紹介させていただきます。

〇反りにくい〇印刷素材と発泡パネルの組み合わせ

1位.「厚手合成紙+ラミネート加工」+「7mm厚発泡パネル」
2位.「光沢紙+ラミネート加工」+「7mm厚発泡パネル」
3位.「マットコート紙+ラミネート加工」+「7mm厚発泡パネル」

発泡パネルで反りを出さずに、何度も使い回しを想定しているのであれば、「厚手合成紙+ラミネート加工+7mm厚発泡パネル」がお勧めになります。しかし、発泡パネルという素材自体は、あくまでも短期的な素材になりますので、長期(1年以上)での使用で耐久性が必要な場合は、「8mm厚強化段ボール」や「3mm厚アルミ複合板」などのパネル素材が推奨されます。

✖反りやすい✖印刷素材と発泡パネルの組み合わせ

1位.「マットコート紙(ラミネート加工なし)」+「7mm厚発泡パネル」
2位.「光沢紙(ラミネート加工なし)」+「7mm厚発泡パネル」
3位.「厚手合成紙(ラミネート加工なし)」+「7mm厚発泡パネル」

「マットコート紙(ラミネート加工なし)+7mm厚発泡パネル」は最も反りやすい組み合わせではありますが、紙素材の中で「一番安価」な素材になります。そのため、短期的な使用で、使用期間(数日~数週間)が終わったら、以降使用しないことが前提なのであれば、「マットコート紙(ラミネート加工なし)+7mm厚発泡パネル」でも、十分対応ができる素材であると思われます。

5.用途別おすすめのパネルをご紹介

パネル素材の比較を、一覧表でご紹介させていただきます。ご使用用途や使用期間に合わせて、お客様のご希望に合ったパネル選びの参考にしてください。

 

6.まとめ

パネルの反りについてご紹介させていただきました。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
パネルの購入をご検討頂いているお客様の素材選びに少しでも参考になりましたら、幸いでございます。
その他、パネルについてのお問い合わせがございましたら、以下のブログもご参考ください。

その他のお問い合わせは以下よりご連絡ください。
皆様のご利用、心よりお待ちしております。

 

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