大型出力屋

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大型出力屋の印刷・後加工技術

2020.10.16

昇華転写インク:印刷の仕組みと特徴(「大型出力屋」出力オペレーターブログ)

こんにちは、「大型出力屋」大判プリント担当の竹澤です。
これまで、ラテックスインクと水性顔料インクの印刷に関して、書かせていただきました。
過去の記事は以下からご覧いただけます。

今回は、鮮やかな色が表現でき、持ち運びにも便利な
ポリエステル製の「布」などに用いる、昇華転写の
印刷の仕組みと特徴をご紹介します。

目次

  1. 大型出力屋の昇華転写機・プレス機のご紹介
  2. 布素材、対応商品のご紹介
  3. 昇華転写の特長
  4. 印刷の仕組み
  5. まとめ

■大型出力屋の昇華転写インク出力機・昇華転写機のご紹介

昇華転写とは

印刷したいデータを、専用の紙(転写紙)に印刷した後、
転写紙と布地を重ねてデータを布に移す印刷方法
です。
昇華用のインクを使用して出力し、
転写紙と布地は約200℃近い熱で圧力をかけます。
それによりインクが気体となり、布の繊維に色が染み込みます。

昇華転写は、①転写紙への出力 と ②布地への転写 2つの工程があります。
2つの工程で使用する機械が変わります。

①転写紙への出力
転写紙に印刷する出力機はMUTOH社「ValueJet VJ-1948WX」を保有しています。
転写紙の印刷幅は1900mmまで対応しています。

②布地への転写
転写紙に出力した後、布に転写するための転写機は
セルカム社「Micro ANDY」を保有しています。
ヒーターで加熱されたローラーによって、布と転写紙に熱と圧力を加える昇華転写機です。
こちらも布の転写幅は1900mmまで対応しています。

布素材、対応商品のご紹介

大型出力屋で取り扱っている、昇華転写機で印刷・製作する商品は、
ポスタータペストリーテーブルクロスのぼり横断幕などがあります。

また、呼吸のしやすさにとことんこだわった高機能マスク「エアトール」
この昇華転写機を用いて印刷しています。
ホーコーズのブログ記事にて本商品の紹介や印刷風景、製作事例などを
詳しく掲載しています。
気になる方は、以下のブログ記事をご覧ください。

 

高機能マスク「エアトール」がリニューアルしました。

※エアトールの販売は中止しました

 

大型出力屋が取り扱う布素材は
「ポンジクロス」「トロピカル」「トロマット」「撥水布」「遮光スエード」「5号帆布」があります。

※下記のリンクからお申込み頂きますと、
弊社から無料素材サンプルを無料でお送りいたします。

■昇華転写の特長

メリット

・素材の風合いを残した、自然できれいな発色
・布生地に染色するため、洗濯で色落ちしにくい
・ポリエステルの白い生地であればほぼ全てに印刷可能

昇華転写で印刷された布は、発色がきれいで人目を引きつけ、
マルチカラーなグラフィックや絵画の印刷にも向いています。
大型出力屋のお客様では、飲食店用ののぼりやタペストリーにも
昇華転写で印刷した布素材を多くご利用いただいております。

また、インクジェット印刷と違い、
インクを布素材に浸透させて着色するため
素材の風合いを残しつつ、自然な発色になります。
紙の印刷物と比較すると、若干沈んだ印象となります。
上記の「エアトール」もマスク用の布素材に印刷をして製作しています。
日常で使用するため、毎日の洗濯が必要ですが
洗濯で印刷が剥がれたり、インク割れを起こす心配もありません。

デメリット

・アイロン不可
・紫外線により色落ちする

アイロンをかけると変色や色落ちの原因となるため、
使用はお勧めできません。
どうしてもシワなどをのばしたい場合は、
あて布の上から低温でアイロンを使用してください。
経年劣化で、紫外線による色落ちもあるため
長期間屋外で使用する、もしくは
日光が当たる場所で使用する場合は、定期的な交換か
ターポリン素材への変更をお勧めしています。
屋外用のタペストリー、横断幕についてはこちらもご参考ください。

■印刷の仕組み

  1. 昇華染料インクを転写紙に印刷します。この時データは反転しています。
  2. 布地(ポリエステル)と印刷した転写紙を密着させ、熱を加えてプレスします。
  3. 布地に染料が定着し、転写紙を剥がすと印刷完了です。

出力機の操作

転写紙を取り付け、印刷を実行します。印刷のデータは反転させた状態で印刷します。

転写紙に、昇華転写インクがのります。
その後、時間をおいてインクが乾燥させます。
転写紙の出力は1平米約4分と早いですが、
インク量が多い色ベタのデータは、最大1日乾燥させます。
乾燥が不十分だと転写した際に色ムラが発生します。

転写紙に写されているデータの色は転写後の色と異なります。
事前に印刷物の色を確認する際は転写機→プレス機までを
行う必要があるため、時間をかけて色を調整します。

転写機の操作

事前準備として、プレス機のヒーター部を温めます。
ヒートプレスの時は布を下に、印刷した転写紙を上に重ねる形で行います。


1平米のプレスでは約6分かかります。

これで印刷が完了です。

■まとめ

昇華転写印刷の仕組みと特徴について説明しました。
メリットについて再度お伝えすると、
・素材の風合いを残した、自然できれいな発色
・布生地に染色するため、洗濯で色落ちしない
・ポリエステルの白い生地であればほぼ全てに印刷可能

があります。

豊かできれいな色合いが出せるため、マルチカラーなデザインに強いです。
昇華転写で印刷したのぼりやタペストリーなど
多くのお客様にご利用いただいています。

また、布素材は商品加工の幅が広く、
一般的にはインテリアやファッション業界にも用いられています。
大型出力屋では感染予防の対策グッズとして
着け心地が良く息をしやすい、高機能マスクの生産もおこなっています。
洗濯も可能で色落ちの心配もありません。
布素材に染色する、昇華転写の強みを活かしています。

そのほかにも、様々な布製の商品をご提案しています。
ご検討中のお客様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
高機能マスク「エアトール」と大型出力屋へは以下からアクセスできます。

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